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日米欧のITS戦略計画

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昨年12月DOTのRIRA (研究・革新技術庁:Research and Innovative Technology Administration)は,「2015-2019 ITS Strategic Plan」計画を作成発表した。この計画は、2009年に策定した「5 year Strategic Plan(2010-2014年)」の後継となる計画である。
新計画策定にあたっては、道路、鉄道、公共交通、自動車交通の関係者、NHTSAなどDOT内部組織の協力で作成された。計画推進はDOTの内部に組織されているITS Joint Program Office(IJPO)により推進される。

計画の要点は以下の通りである。
計画のキーワードは「つながるくるま」の実用化と「自動運転の促進」の2点であり、具体的な研究・開発の分野では以下の6項目である。
1.協調型システム(Connected Vehicles)...前戦略計画で開発・検証した技術の採用と実用化
2.自動運転(Automation)...自動運転・関連技術によるドライバーから車両への運転操作機能委譲。
3.将来技術(Emerging Capabilities)...次世代交通システムの推進
4.データー活用(EnterpriseData)...固定センサー、移動端末、協調システムからのデータの集約・共有・分析、多様な交通手段の安全とモビリティ向上への活用
5.相互接続性(Interoperability)...機器、システム間の相互接続性確保
6.実用化加速(Accelerating Deployment)... DOT内の組織連携による実用化技術の導入拡大

米国のITSに関する戦略計画更新により日・米・欧3極の計画が出揃ったことになる。日本は「日本再興計画」に基づく「世界最先端IT国家創造宣言」と「戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)」であり、EUは中期成長戦略「Europe 2020」と、科学技術・イノベーション政策である「Horizon 2020」である。

3極はITSを科学技術・イノベーション計画の重点分野として取り上げ推進していくことになっている。計画の重点はDOTのキーワードにもある通り、「つながるくるま」の実用化と「自動運転の促進」の2点である。SIPの事務局がまとめた3極の計画比較表を見ると、内容は非常に似通っている。それはITS世界会議等の場で3極の官民関係者が頻繁に会合を持ち、問題認識を共有していることによると思われる。

敢えて3極の差異を抽出してみると、日本は「交通事故削減」を真正面から取り上げている点、米国は自動運転に関して「Google car」という個別企業名を取り上げ注目している点、EUが自動運転の先駆的な研究テーマである「Truck Platooning(隊列走行)」などを取り上げていることである。
今後ITSは「世界同時スタート」で国益をかけた「競争と協調」の時代に入ることになる。


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