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Automotive world 2018 名古屋-興味を引いた講演2件-

[ Editor’s Column 自動運転 ]

毎年1月、「automotive world」展示会がお台場のビッグサイトで開催される。今年は9月5日(水)~7日(金)の3日間、ポートメッセ名古屋でも盛大に開催された。

自動車産業の集積地 愛知・名古屋で開催されたのは、今回初である。
主催者 (株)リード社の発表によると、350社が出展、申し込みにより無料ということもあって、会場は来場者多数で大盛況であった。

展示及びセミナーの概要は、本ブログで、動画で簡単に紹介している。

◆◆セミナーも充実していたがその中で、今回興味を引いたのは、(株)産業タイムズ社 泉谷 渉氏、中国スタートアップRoadstar.ai のHarry Na氏であった。◆◆
両人とも、一人は業界紙の経営者、一人はスタートアップ企業の創業者、ということで比較的自由な立場であることにも起因している。


◆泉谷 氏の演題は「日・米・中・欧自動車最終戦争の覇者はニッポン」、長年の地道な取材に基づいて、講演した。automotive world kouen02.JPG
▼主な内容は以下の通り。
1. 今後、半導体、電子品産業需要はIoT、車載器向けに飛躍的に発展する。そのため各企業は2018年も積極的な投資を行っている。(右下出所:電子デバイス新聞)
2. 日本の素材産業は世界的にみてもダントツの競争力を持っている。
3. 日本の自動車OEMは、世界で約3割の市場を握っており、デファクトスタンダードづくりでは無視できない存在である。(スマホ最終製品で存在感のないのとは異なる)
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4. EV化が唱えられているが、保有台数での占める割合、電源確保などから見ても、飛躍的に伸びるとは考えにくい。
5. 日本に自動車産業は「カラバコス化」していると、一般紙、経済紙は書いているが、実態を見ていないと言わざる得ない。



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◆Roadstar.ai のHarry Na氏の演題は「ロボタクシー事業の開拓と中国におけるモビリティの変革」であった。
同氏は、日本に8年間滞在し、その間東大でコンピューターサイエンス修士を取得しており日本語で講演した。automotovenagoyakouen01.JPG
▼主な内容は以下の通り。
1. Roadstar.aiは2017年 深圳で設立された。レベル4の自律的な運転技術を専門とする人工知能企業である。
2. 創業者は、同氏を含め3人のエンジニアによって設立された。以前はGoogle、Tesla、Apple、Nvidia、Baidu USAで自律走行技術を担当。
3. HeteroSyncとDeepFusionという2つの重要な技術を開発した。
 HeteroSyncは、LiDAR、カメラ、レーダー、GPS、IMUなどの複数のセンサーと統合された高精度の時間と空間の同期、リアルタイムの更新、融合された高次元の生データから抽出された堅牢な機能を提供する。
 DeepFusionは、融合された高次元のセンサデータの利点を利用して、真に堅牢で効率的で安全な自律駆動ソリューションを提供する。
(出所:同社HP http://roadstar.ai/#about)
4. 今年5月、1億2800万米ドルを調達したが、このようなことは中国のスタートアップにとって、普通のことである。
5. レベル4 開発には、AIが不可欠であるが、業務スピード、スタッフの処遇等から見てOEMでの対応は難しい。OEMの対応で一番注目しているのは、ソフトバンクも出資したGM cruiseである。
6. Roadstar.aiは現在シリコンバレー、深圳で公道実験を行っている。深圳の交通環境はシリコンバレーに比較すると数倍複雑である。(動画:同社HP)
7. レベル4の運用では走行データの収集・解析、高精度地図が不可欠で、テロ対策等セキュリティ対策からも中国政府は、外国企業には許可しないだろう。


                          
 
最近この種のイベントの講演会では、(時間的制約の中で)主要自動車OEMやTier1の取材はウエイトを落としている。講師の立場や制約は理解できるが、内容が、公式見解のみで個人的見解はほぼ皆無であるからである。
その観点からは、取り上げた2者の内容は、賛否はともかくメッセージは明確であった。

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