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CASE ⇔ モビリティ ⇔ スマートシティのリンク

[ Editor’s Column ]

■CASE、モビリティ、スマートシティが自動車業界の重点キーワードだ。"すべて横文字"は気になるところだが、最近の動きはこれらのキーワードで整理できる。

▼CASEは、2016年パリモーターショーで独ダイムラーのディータ―・ツェッチェ社長が使った造語だがすっかり定着している。自動車業界にとって"コア"にかかわるテーマだけに各社必死である。
CASEについてはとりわけConnects=ICTがベースになるという考えが解りやすい。
▼モビリティは、自動車の「端末から利用」という場面を考えた場合、必然的に取り上げられる領域である。従来「都市交通」として取り上げられ、どちらかというと産業の「向こう岸」の概念として捉えられてきたが、本業の可能性を帯びてきている。MaaSというとらえ方がその典型である。
▼スマートシティという概念はさらにモビリティの外延部にある。いわば「モビリティの土俵」に当たる。
業界の勉強会などでは、「シティや国土利用」について、関心を払うべきという問題意識や提議はあったが、社内の資源配分としては実質ゼロに近い。端的に言えば「社会貢献」分野、「公共に対する協力」「未来開発」「広告塔」という位置付けに近かった。それは当然であったし、今後も残念ながら基本的には変わらないだろう。

■しかし、自動車という端末からモビリティさらにシティとなると「公共関与の色彩」が強まり、ビジネスモデルの形や必要なリソースも異なってくる。ビジネスとしても関心を払わざる得なくなりつつある。
◎先月5月9日、トヨタとパナソニックが新会社「プライムライフテクノロジーズ(Prime Life Technologies Corporation)」を設立すると発表した。
▽最初に挨拶に立ったトヨタ自動車の執行役員 白柳正義氏は、交通手段と都市の関連に関する流れについて概ね次のような説明を行った。
「(交通史的にみると)海運、鉄道、道路、自動車」というインフラの発展によって街の発展が変化してきた。
(最近、利用者は住居の選択において)交通の利便性、価格などの経済性と住環境のどちらを優先させるかという状況が続いている。しかし、IT、自動運転など自動車の技術変化によって、双方を両立させられる可能性が出てきた。
そこで、「今後成長が期待される街づくり事業においては、両社の街づくり事業の強みを活用した成長達成を目指す。」と説明した。
◎両社は住宅産業に関して言えば、大和や積水ハウスなどの遥か後塵に位置している。しかも全体の市場は少子高齢化の中で縮小しており非常に厳しい。そこで「モビリティと街づくり」という切り口で新しい市場を開拓しようということである。
両社のビジネスモデルは、自動車や家電機器といった単体の売り切りを基本としており、公共との関わりは少なかった。民間鉄道が、鉄道サービスという本業のために地域開発や街づくりに取り組んできたのとは対象的である。
しかし、パナソニックはすでに藤沢市などの国内、デンバーなど海外で「街づくり」にも進出して「次世代交通システム」の開発にも取り組んでいる。同社にとって、車載機器と住宅・街づくりはコアビジネスでありITS世界会議でもPRしている。panasonicdenver.png

■自動運転車開発で他社を大きくリードしているといわれるGoogle(ウェイモ)は、トロントのオンタリオ湖ウォーターフロントの再開発(未来都市)を受託している。(https://sidewalktoronto.ca/)
「検索、データ、AI等によるグーグル流」の街づくりがか注目される。

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また、専門家の間でも全く注目されていないが、VWは社内に多数の都市交通計画の専門のスタッフを揃えている。2017年にはVW の筆頭株主の持ち株会社であるPORSHE SEが交通シュミレータ大手のPCVを買収した。PTVは、MaaSの導入を検討する都市や自動車メーカー、交通事業者を支援するソフトウエアを開発しているといわれる。

将来、都市はCASEを軸に大きく変貌する可能性がある。CASE→モビリティ→スマートシティとビジネス・事業の視野も拡大しつつある。

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