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クルマの"コモデティ"化の攻防(情報追記)

[ Editor’s Column 自動運転 ]

クルマの「コモデティ化=汎用商品化」についての話題が盛んである。「コモデティ化=汎用商品化」とは、競合する企業の製品やサービスについて、性能、品質、ブランド力などに大差がなくなり、顧客からみても『どの会社の製品やサービスも似たようなもの』に映る状況をさす、マーケティング用語。

(日本大百科全書(ニッポニカ)の解説)<

商品の「汎用化」は企業が部材を調達する場合コストダウンのための重要な手段である。各社とも調達部材の標準化・共通化を推進している。しかし、自社の商品となると「個別化」を図る。 BtoB,BtoCの区別なく繰り返される「攻防」シーンである。 

トヨタの豊田社長は、7月4日、マツダとの資本提携記者発表の席上、次のように表明した。
 ① 両社の提携は、EVなど未来の車を決してコモディティ(汎用品)にしたくないとい
  う思いを形にする。toyotamatuda03.JPGのサムネール画像
 ② EVの課題は、電池をはじめとするコスト削減と車の『味』づくり。
 ③ 個性を出しにくいEVで、いかにブランドの味を出すか。
 ④ 軽自動車から小型トラックまでEV化する。
また、豊田社長は「今までもモビリティを支えてきたが、今後もモビリティを支えていく」と発言した。
日本の自動車メーカトップが、公開の席上「クルマのコモデティ化への"懸念"」と「モビリティ」について、これほど明快に言及したのは初めてではないか。

クルマのコモデティ化傾向については、「電動化」に加えて、「自動運転化」「所有から利用への価値観=いわゆるシェアリング経済の進展」と合わせた文脈の中で広く議論され、識者の間では「多数説」「定説」といえる状況にある。
 電動化では、動力の基本コンポーネントが、電池、モーター、インバーターで構成され、部品点数も現在の100万点から1~3万点に減少し、各部品はモジュール化される。
この傾向はデジタルカメラ、PC、スマホと同じであり、一般の顧客にとって「価格」が、最大の選択基準となる。

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(出所 シリコンバレーD-Lab)


 また、ほとんどの顧客にとっての「価値」は、「Fun to Drive」ではなく「Fun to Move」「Fun to Mobility」であり、さらに「クルマのConnected化」により、IoTの中に組み込まれる。その結果、「MaaS」のプラットフォーマーに付加価値が移転する。
自動車業界としては「この傾向」は避けたいし、見たくない「風景」である。
先に紹介した豊田社長の発言は、以上のような流れに対する「決意」表明である。
日本の経済構造では、米国や欧州に比較して、「自動車産業への依存度」は大きい。国としても「電機業界の轍」を踏みたくない。
また、「個別移動手段の価値」が簡単に減少しないばかりか、むしろ「自動運転化」により「利用者価値」は増大すると考えられるのではないか。

今後、現象の虚と実を評価しながら、問題の先送りによる「帆船効果期待」ではなく、守勢でもなく、攻めの選択が求められている。

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