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デジタルフォーメーション時代のキーワード ―竹中・菊池氏の講演から―

[ Editor’s Column ]

竹中慶大名誉教授と菊池豊田中研所長の話を聞いた。
竹中教授は、9月4日のSANSAN社主催の「日本企業の少し未来の働き方」、
菊池所長は、8月31日のモノづくり 日本会議主催の10周年記念特別シンポジューム「中部のモノづくり~AIとIoTが製造業の未来に何をもたらすか~」である。

竹中教授は「第4次産業革命で変わる企業の働き方」、菊池所長は「サステーナブルナな交通社会を創り出すAIや自動運転についての考え方」が演題である。

両者の共通点は、デジタルフォーメーション時代の政策、企業、個人の意識改革、といえる。
▼竹中教授の骨子は以下の通り。
 ①.現在日本には二つの風が吹いている。
一つは、英国のEU脱退、トランプ大統領当選のような想像できない「乱気流」。
二つ目は、2011年、ドイツハノーバーメッセで初めて紹介された第4次産業革命のような西欧からのイノベーションの「偏西風」、日本では2016年の政府の計画に初めて取り入れられた。
イノベーションという言葉を初めて使用した経済学者は、シュンペーターで、当初「新結合」と説いた。さらに、資本主義社会の中では成功するものは必ず衰退する。と説いている。
 ②.2016年の未来投資会議では、今後のイノベーションの構成要素として、AI、ロボット、IoT、ビッグデータ、シャアリングエコノミーとしている。
会議では、ビッグデータの司令塔として、民間からの登用、具体的な検討のケースの一つとして「移動革命、自動運転」を取り上げている。また、同会議は人材の育成のための「規制サンドボックス」の設置(右下図)、経営の「ダイバーシティ」を提案している。
 ③.メディアでは、これらの動きをフォローできなくなっているので、経営者は、地図より羅針盤が必要であり「アンテナを高くして」動向をとらえることが必要である。
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▼菊池所長の骨子は以下の通り。
①.ICTによるデジタルトランスフォームは2010年頃から具体化し、「量から質」に転換した。第3次デジタル革命のアクセレーターは、クラウド、ビッグデータ、データーアナリス、ソーシアル、モバイルなど、プラットフォームは根本的に変化した。

②.ガードナー社は「先進テクノロジーのパイプサイクル」で技術の進歩について説明している。同パイプサイクルの「過度な期待のピーク期(Peak of Inflated Expectations)」を越えた時点のもの、すなわちAI、AR、ドローン、ソーシャル、拡張現実(AVR)、自動運転などが実用化の世界に入っている。(右下図)
これらを可能にしたのは、圧倒的コンピューティングパワーである。また、現在のデープラーニングでは「ラウンドアバウト交差点」の交通処理も可能となっている。

③.今後のモノづくりでは、セキュリティ、AVR、IoT、ロボット、データーセンター、3次元プリンタ等が重要になるが、AVR、IoT、データセンターは自分で手掛けなければならない。
セキュリティは、専門家に任せればよい。ロボットは、運動感覚、平衡感覚が必要で、そのためには人間の研究が重要となる。また、自分の商品の機能を差し引いたもの、例えばソニーのウォークマンのように、自動車もオーデオ機器を外して見るような発想も必要。
しかし、今後、素材とハードだけによるモノづくりの「相対的な事業規模」は減少せざる得ない。

④.自動運転は自動駐車やインフラ協調による安全対策などから、実用化を図るべきである。日本は100%を狙いすぎる。ロボット開発も同じ傾向で「おもてなし」「匠」などと凝りすぎである。結局は、廉価で使いがっての良いものをいかに作るかにかかっている。
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両氏は、大臣も経験した経済学者、米国で長年研究生活を過ごした科学者と背景は異なるが、日本の「現状に関する危機意識」は共通している。
一昨年フランスのボルドーで開催されたITS世界会議2015のGALAパーティでたまたまエストニアの政府関係者と同席した。同国のICT、ITSの取り組みについてあまり気にせずに会話していたが、竹中氏の話によると同国は120万人全員がマイナンバーカードを保持しているという。この分野でレジェンドの少ない同国はあっという間にICT先進国に参入している。ケニヤの砂漠の中でWifiが通じるという情報などは驚く。シンガポールではフィンテックや自動運転の実験に日本企業が参加している。
我国におけるデジタルフォーメンションは「偏西風」をベンチマークしないと前に進めない、失敗すると強い批判があるため100%主義にならざる得ない風土との闘いでもある。

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