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自動運転時代とコンパクトシティ

[ Editor’s Column 自動運転 ]


◆コンパクトシティ化は国土交通省や各自治体が長年にわたり進めている政策である◆
一言で言うと、車社会において、住居・商業施設等の都市機能が、スプロール的に郊外に拡散し、シャッター街といわれる旧市街地の衰退を「旧駅前」核を中心に再構築する政策である。1998年の街づくり3法の改正や2006年の見直し等が基本となる。
2014年、改正都市再生特別措置法が施行された。いわゆる「コンパクトシティ法」である。
さらに同省では、2016年、2050年を見据え未来を切り開いていくための国土づくりの理念・考え方を示す「国土のグランドデザイン2050~対流促進型国土の形成~」を策定した。キーワードは、"コンパクト+ネットワーク"である。
背景には、少子高齢化の中で、道路・上下水道・教育施設など公共投資の効率化を図りたいという意図がある。LRT(次世代型路面電車システム)導入で有名な富山市、海外では米ポートランド市などが紹介されている。
昨年10月から11月にかけて日経新聞社がコンパクトシティについて独自の調査を行った。
全国の市、東京23区の計814市区の首長に依頼、703市区から回答を得た。それによると、全国市区の約5割が居住地や都市機能の集約を計画・検討している。

◆クルマの自動運転は、この文脈とは全く関係なく到来する◆
最近のITを中心とした技術進歩は、事故・環境・渋滞といった自動車交通のもたらす社会的課題を解決、一方で高齢者も含めモビリティという人間の基本的欲求を向上させる可能性が出てきた。
自動車や保険などの既存関連産業は、パラダイムの変化に対応するべく必死である。関連ビジネスモデルの構築や制度設計、インフラ投資とそのB/C、社会的受容性など大きな壁はあるが、(普及の「幅と広さ」がどの程度か等、議論はあるが)トレンドとしては、確実である。
筆者は自動運転社会の到来は、クルマを保有するか否かとは関係なくIT技術による個別移動手段機能の再復活であるとみている。これにより自動運転社会の到来は、再び我々の生活に大きな変化をもたらす。

▼2018年2月米国フロリダ オーランドで開催された国際建築ショー(International Builders' Show )で面白い調査結果が公表された。
http://www.nahbclassic.org/generic.aspx?sectionID=734&genericContentID=260923&channelID=311
調査は全米家屋建築業者協会(NAHB)のHousing Market Trends & Preferencesである。

   ※NAHB(National Association of Home Builders:全米住宅建設業者協会)が
    毎月発表する米NAHB住宅市場指数は、不動産業者(住宅建設業者)の景況感
    を示す経済指標として知られている。

調査の中で、無人運転車を購入するかという質問に対し59%が購入すると回答している。
さらに、無人運転車と住居地との関係の質問に対し、(無人運転車の購入により)63%が(住居は)職場より離れた場所になると回答している。年齢別では、ミレニアム世代の76%が郊外での購入を予想している。(下図)NAHB survey01.JPG

米国の一つの調査ではあるが、再び「住居の郊外化」の可能性を示唆している。
少子高齢化の中で、「自動運転社会」での都市や生活の様式がどうなるのか?今までの公共交通政策や土地利用政策とは異なる「軸」が必要になることはほぼ確実である。

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