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交通ビッグデータの活用 ②事故対策

[ Editor’s Column ITS動向 ]

■政府は近く「官民データ活用推進基本計画」をまとめる予定である。その中で、自動運転の技術開発に向け、交通事故の発生場所などに関する情報を2020年度にも公開する、と報道している。
交通事故の発生場所などに関する情報は、警察庁が所管している。 交通事故データという観点からは、民間のプローブデータ、ドライブレコーダデータも注目される。

▼プローブデータ活用の歴史は古く、各社の協力により、最近はVICS情報の補完、交通事故対策、大規模災害時に通行実績情報を迅速に公開する仕組みを構築、に実用化されている。
☆ホンダは交通安全対策として、埼玉県警に急ブレーキ個所などの情報を提供し、規制や道路環境の改善に寄与している。
☆トヨタは、テレマティクスサービスを通じて、収集・蓄積した車両の位置、速度、走行状況などの情報を含むビッグデータをもとに加工した交通情報や統計データ、自治体や企業が交通流改善や地図情報の提供、防災対策などに活用できる新しい情報提供サービス「ビッグデータ交通情報サービス、を開発・販売している。

▼交通事故死ワーストという汚名が継続している愛知県では、5年前から知事を座長とする産官学からなる「自動車安全技術プロジェクトチーム」を発足させ、各種の対策を実施している。
昨年度、名古屋大学の水野研究室で、ドライブレコーダー映像をシミュレーション化した結果、今まで事故に至っている事例のうち、衝突被害軽減ブレーキ(AEB)があれば衝突回避出来る事例が存在することが明らかになった。また、車両搭載のセンサー角度の修正など要素技術の改善による事故予知ヤ低減可能性などについても検証している。

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▼H30年5月17日に開催された「第 16 回未来投資会議」で、次期経団連会長に就任予定の中西日立会長は、データ開示について一般論として次のように発言している。
「Society 5.0のコンセプトが急速に日本の中で浸透してきている。これは非常に喜ばしいことだと思う。
そういう意味では、Society 5.0の大きな違い・特徴というのは、今まで何度もお話が出てきたように、社会課題をデジタル化によって解決するという点である。したがって、餌はデータになるというところが、非常に大きなポイントである。
society05.jpg その点から考えると、Society 5.0のコンセプトは浸透してきたけれども、データ活用がぐいぐい進んでいるかというと、正直言って、かえって、データをうまく活用しようとすればするほど、いろんなボトルネックが次々と出てきているのではないかと感じている。
官民データ活用の会議というものがあるが、正直申し上げて、各省庁がこれだったら出せるというデータを一生懸命並べている状況で、まだこの限界を超えていない。
省庁間の壁をなくすと同時に、今度は官民がそのデータを使って何をやるのかという、そういう定義に大きく進んでいくべき時代に来ているのではないかと思う。
ただ、データの取り扱いというのは、非常に微妙な話であるので、これをある意味では公共的なプラットフォームにのせていくという、1つの新しい基軸をぜひやっていくべきではないかと思う。
いわゆるGAFA、中国のBATH、このいずれも、商用目的でつくり上げたデータ独占も懸念されている組織である。
日本は、この際、Society 5.0の基本コンセプトである、パブリックなデータ共用の仕組みやプラットフォーム、その1つの候補は、先ほど五神総長がおっしゃられた、SINETをベースにしたものを、公共性をある担保にして、データ共有の仕組みに活用していけるのではないか、この辺は、そういう目で見たときに、今の組織や仕掛けで本当に十分かという大きなチェックは必要だと思う。ぜひそういうことをこれから推進していきたい」と述べている。(未来投資会議議事録)

■公開が期待されている交通事故データは、刑事・民事訴訟の証拠にもなるものであり、また個人情報を伴うこともあり、過去の例からもハードルは当然高い。
最近の自動運転の技術開発に資するという観点から公開ということであるが、その仕様が注目される。

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