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スマートシティの論点3 トヨタ「Woven City」

[ Editor’s Column 自動運転 ]


■トヨタWoven Cityの論点
2月23日の地鎮祭で豊田社長は、「ヒト中心の街」、「実証実験の街」、「未完成の街」をブレない基本的な軸とすると述べた。
 1. 「ヒト中心の街」の解釈
「ヒト中心の街」と言えばだれも異論はない。その具体的には何を盛り込むか?
モビリティについていえば「Mobility for All」と「Negative Impact "0"」街づくりだ。
以前、本稿で紹介した「持続可能な発展のための世界経済人会議持続可能なモビリティ・プロジェクト 2.0(SMP2.0)指標ワークストリーム」の19項目は参考になる。
https://docs.wbcsd.org/2015/12/SMP2.0_Sustainable-Mobility-Indicators_JAP.pdf
また、内閣府は先に紹介した「スーパーシティの公募」の趣旨において、「スマートシティは、AIやビッグデータなどの先端技術を活用し、都市内の様々な事業やサービスに共通に使用できるデータ基盤を整備することによって、社会の在り方を根本から変えるような都市を設計する動き」と説明している。データの取り扱いも重要な項目となる。

 2. 主目的は自動運転社会の実証実験場
昨年のCESで同社は
「このプロジェクトは、人々が生活を送るリアルな環境のもと、自動運転、モビリティ・アズ・ア・サービス(MaaS)、パーソナルモビリティ、ロボット、スマートホーム技術、人工知能(AI)技術などを導入・検証できる実証都市、を新たに作るものです。
プロジェクトの狙いは、人々の暮らしを支えるあらゆるモノ、サービスが情報でつながっていく時代を見据え、街で技術やサービスの開発と実証のサイクルを素早く回すことで、新たな価値やビジネスモデルを生み出し続けることです。」と説明している。(同社HP)
公表以降、Woven Cityは、我が国のスマートシティ取り組みの代表例の一つとして喧伝され関心を集めている。世間の関心と高い評価により、内外から3,000件以上の応募が見込まれる。
当初の住民は360名、住区の原単位は150m ×150mと妙に具体的であるが「建設計画図」の概要は全く発表されていない。
しかし、重要なことは、Woven cityはあくまでも「技術やサービスの開発と実証のサイクルを素早く回す」ことである。
その意味で、トヨタの開発拠点である東富士研究所に隣接するメリットは大きい。
同社は、「より良いクルマ作り」のため豊田市郊外の下山地区にドイツ ニュルブルクリンクを参考にしたテストコースを新設、実車テストとして実用化している。

一方、Woven cityは、人が住居する具体的な街のテスト場でもある。同社はリーマンショック以前に、豊田市の本社地区周辺で、物流の地下道やIT化したバス専用道建設を含めたインフラ構築を検討した時期があったといわれる。あまり多くの提案を意識せずに、「自動運転社会のコア実証実験場だ」と宣言した方がわかりやすい。
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