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「地方公共交通危機」に関する論議

[ Editor’s Column 政策動向 ]

■公共交通、とりわけ「地方の公共交通」の経営難対策が議論されている。
かねてから提起されてはいたが、コロナ禍による「移動制限」により、さらに顕在化している。
事業者はもちろん、自治体、地域住民にとっても、「『交通権』に基づく整備」などと原則論の議論を行っている場合ではない」。
現場視点に立ちながら、経営実態・制度など深く分析し、実務的・理論的な提言活動を行っている組織に(一財)地域公共交通総合研究所がある。
同研究所は、岡山市を拠点とする両備グループが設立、昨年「地域モビリティの再構築」を発刊、4回シンポジュウムを開催した。


■「交通環境問題とりわけ自動車交通と関連施策動向」について長年フォローしている者として、上記シンポジュウムをはじめとする議論について私見をまとめてみる。

今まで、この分野の議論は、思想や所属組織擁護の立場からの問題提起が少なくなかった。

70年代、高度成長と自動車交通の弊害の顕在化の中で、自動車交通の「外部不経済の顕在化」による「自動車交通批判」が脚光を浴びた。
宇沢 弘文氏、力石 定一氏、角本 良平氏、湯川 利和氏、等の論文、当時の東京や大阪など革新首長の主張が思い出される。湯川教授の著書には既に「交通権」という概念も紹介されていた。

その中で政策的には「外部不経済論」、「貨物輸送における道路と鉄道のnon-equal fitting論」、を根拠とした「自動車重量税の創設と鉄道への一部補填」が論争になった。
最近の論調では、(筆者の命名だが)、「民営公共交通限界論」が議論の核になっている。我が国の「地方公共交通機関」は、「私企業」が主であるが、欧州では「官営」が主である。
地方公共交通は、料金収入と補助金を収入源とする経営は成り立ちにくい。官による「恒久的な財源確保」がないと、経営は「成り立たない」という論調である。我が国の経営形態は「異質」と言う主張である。

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