HOME > Mobility 関連情報 > 2013年 > トヨタなど、北京市で渋滞緩和に向けた交通流シミュレーターの実証実験を実施
ITS情報、まちづくり情報

トヨタなど、北京市で渋滞緩和に向けた交通流シミュレーターの実証実験を実施

[ ITS/CASE&MaaS ITS海外情報 トヨタ ]

トヨタ、北京市で渋滞緩和に向けた交通流シミュレータの実証実験実施決定
 トヨタ自動車(株)(以下、トヨタ)およびトヨタ自動車研究開発センター(中国)有限会社(江蘇省・常熟市)は、北京市交通委員会の支援の下、北京航空航天大学、北京世紀高通科技有限会社の4者共同で、2013年7月より交通流シミュレータ(※1)を活用した実証実験プロジェクトを実施することに合意した。

 実証実験では、「知能ETC端末(※2)」とスマートフォンアプリを通じて、「経路別の所要時間案内情報の提供」や「空いている高速道路の高速料金割引とその情報提供」等を実施し、混雑している高速道路から空いている別の高速道路(※3)へ車の誘導を行う。さらには、実証実験で取得したデータに基づき、交通流シミュレータの精度を改善、交通渋滞緩和への有用性の検証を行い、将来的には都市計画サービスとしての活用を目指す。

 4者は2011年7月より交通流シミュレータを用い、交通渋滞緩和を目的に、北京市の交通状況を予測する技術の共同研究を行ってきた。今回、この研究成果を基に、実用化に向け、実証実験を実施することにした。

 トヨタでは、「クルマづくりを通じて地域社会に貢献する」という創業以来の理念のもと、中国の自動車産業や経済、社会の発展に寄与していくと共に、今後もお客様や社会を豊かにする、「いい町・いい社会」づくりに努めていくという。


日本と北京関係機関との協力関係は、過去においても、ITSジャパン及び関連企業、NEDO/日産などと行われてきた。トヨタの今回の試みもその経験と反省のもとに行われるものと思われる。

 ※1 交通流シミュレータ・・・(株)豊田中央研究所にて開発した交通流シミュレータソフト「NETSTREAM」
 ※2 知能ETC端末・・・PND(車載ポータブルナビ)とETC車載機を一体化した新開発の端末
 ※3 北京空港と北京市をつなぐ高速道路(京平・京承高速道路)で実施予定

http://release.nikkei.co.jp/detail.cfm?relID=335223&lindID=4
toyotachinaits01.jpg





(過去の共同プロジェクトの例)
ITS Japanは2002年度から2010年度まで「中国道路交通信息化委員会」にて、中国への
VICSの導入について活動した。(出所:ITS Japan HP)
同活動は3段階に分かれる

先行検討(2002年~2003年)
2002年末、日本のVICSのようなシステムを導入したい意向が北京市公安交通局から示されたのを契機に、関係省庁と財団法人道路交通情報通信システムセンター(VICSセンター)とともに検討をスタート、ITS Japan会員企業有志により勉強会を行い、北京市、上海市の関係者を訪問。

研究会発足から北京市でのサービス開始まで(2004年~2008年)

2004年2月、日本から光ビーコンと車載器を持込み、北京にてセミナーと試乗会を実施。
10月、ITS Japan内に「中国VICS構築支援研究会」が正式に発足した。2004年のITS世界会議愛知・名古屋では北京市副市長を団長に中国訪日団がタクシープローブのショーケースを見学、2008年の開催が決まっていた北京オリンピックに向けた具体的な動きが始まりました。2005年6月、研究会は「中国道路交通信息化研究会」と名称を変更、北京市以外に上海市、大連市においても導入検討を進めました。2006年、北京市交通信息中心(BTIC)が主体となり、日本が技術支援を行いながら北京市での実験を進め、12月に「第1回北京交通情報の応用とサービスに関するフォーラム」が国家ITS系統工程技術研究中心(ITSC)、北京市交通信息中心(BTIC)の主催、ITS Japanの協力で約300名が参加して開催され、BTICが開発したRTIC方式(注)の道路交通情報通信サービスが公開され、体験試乗会が行われました。このデモシステムは4,000台のタクシープローブ情報をもとに作成した交通情報をFM多重放送(FM-DARC方式)によりカーナビに提供するもの。

2007年4月、研究会は会員企業18社(幹事会員10社、一般会員8社)がメンバーとなり、「中国道路交通信息化委員会」というプロジェクト型委員会となりました。7月、北京世紀高通科技有限公司(注4)が北京市においてRTICと欧州のRDS-TMC方式の2方式を同時に提供する世界初の商用サービスを開始し、8月の北京オリンピックでは、オリンピック車両に交通情報が提供されました。更に12月には、上海、広州、深圳においてサービスが開始されました。

RTIC展開状況と中国道路交通信息化委員会の終息(2009年~2010年)

2009年度以降、RTIC方式は北京市、上海市、広州市、深圳市をはじめとし、2011年3月時点で16都市までサービスエリアが拡大しています。今後も毎年6~10都市のペースでサービスエリアの拡大が計画。
サさらにービスの高度化や、簡易図形を用いた経路誘導サービスを付加するなど、独自の進化を遂げており、ITS Japanの中国道路交通信息化委員会は終了した。。

【RTICサービスの普及都市(2011年3月時点)】
  2008年:北京市、上海市、広州市、深圳市
  2009年:成都市、重慶市、南京市、瀋陽市、寧波市、天津市
  2010年:蘇州市、福州市、東莞市、長沙市、佛山市、珠海市

(注)RTIC(Realtime Information in the Cockpit):FM放送から受信した交通情報をリアルタイムにナビゲーション画面の地図上に表示し、ドライバーが交通情報を即座に確認できるナビゲーションシステム。

http://www.its-jp.org/katsudou/katudou90/

また、NEDOと中国国家発展改革委員会および北京市発展改革委員会は、日本国内で開発された交通システム技術の有効性を実証、技術の普及を目的とした実証事業を開始することで合意、2010-2012年に実験を行っている。
 具体的には NEDOの委託を受けた日産自動車株式会社が、北京市交通委員会と連携し、ドライバーに動的経路誘導(DRGS)とエコ運転支援(EMS)の情報を伝えるためのサービス提供システムとその効果検証システムを導入、日中が協力して実証事業を進めていきた。さらに、技術を普及させていくため、社会的効果の公開や標準化など、社会制度の仕組み作りも同時に行ってきた。 (出所:NEDO HP)
beijin.jpg

 

http://www.nedo.go.jp/news/press/AA_50512A.html


<< 新東名開通一年の効果 | 記事一覧 | トヨタ、 高齢者の交差点事故低減を目指し豊田市で社会実験 >>

じゃんだらリング活動情報へのコメントなどは、豊田市を中心とした地域密着型SNS『じゃんだらリング』からお寄せください。

上に戻るトップページに戻る