
くるまづくりとSDV(Software Defined Vehicle)SDVの核心 |
[ Editor’s Column ITS/CASE&MaaS 政策動向 特集記事 ] 2025年12月29日 |
■SDVの基本構造
SDVの基本構造は、アプリ層、プラットフォーム層、ハードウエア層からなる。(図)
アプリケーション/機能層 は ・ADAS/自動運転ロジック ・ボディ/シャシ制御ロジック・IVI/UXアプリ等、
プラットフォーム層(SDV基盤)は、・API/サービス定義 、・ミドルウェア(通信・同期)、・HAL(Hardware Abstraction)、・OTA/ログ/セキュリティ 、
ハードウェア層は・SoC(Qualcomm / Renesas 等) MCU/ECU ・センサ/アクチュエータ が主な構成要素である。
その中で、上記目的達成のため最も重要な機能を担うのは「APIとハードの抽象化」機能を持つ「プラットフォーム層」である。
つまりSDVにおける「ソフトとハード分離」とはプラットフォームによってハード差分を抽象化した"状態"を指す。
またプラットフォーム層に具体的にどの程度の機能を持たせるかは各社の設計思想による。
SDVとスマホの違い
SDVとスマホは、どちらも「ソフトとハードの分離」と言うが、その中身は本質的に異なる。スマホは"すべてを抽象化できる"世界だが、SDVは"すべてを抽象化してはならない"世界である。 なぜスマホは「全抽象化」が成立するか?スマホが、人命非直結、時間遅れ許容、 法的責任が軽い、フェイルしても再起動で済む。SDVはこの真逆。
HMIはSDVの中で最もスマホ型抽象化が可能な領域だが、それでも"完全なスマホ"にはならない。
● なぜHMIは「スマホに一番近い」のか HMIは表示、操作、音声、ナビ、アプリUIなどで 物理制御から最も遠い、そのためAndroid Automotive、QNX+HTML5、Linux+Flutterが入りやすい。
● それでも「完全抽象化」できない理由 決定的な理由は3つ。
① 運転中制約(Driver Distraction) •表示内容、操作ステップ、タッチ回数➡法規・ガイドラインが介入、UN-R79 / 国内保安基準)
② HMIが安全判断に影響する 例:警告表示の遅れ、表示欠落、誤誘導 つまり、HMIは安全機能の一部
③ フェイル時の責任 •フリーズしたら?、ブラックアウトしたら?➡スマホは再起動でOK
■SDVの影響
クルマがSDV化することによって各ステークホルダーにすでに大きな影響を与えつつある。想定される影響につき、ステークホルダーをユーザー、モビリティ(都市交通)、OEM,Tier1、行政等に区分し、それぞれの立場と予想される変化・プラスとリスクを表にまとめた。
本稿の冒頭でSDVは「OEM,サプライヤーはもちろん通信・流通、行政、保険など幅広い分野で同時に押し寄せつつある『一大社会変化の起爆材』であると記述したが、表からそのことが読み取れる。
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