SDVの核心

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くるまづくりとSDV(Software Defined Vehicle)SDVの核心

[ Editor’s Column ITS/CASE&MaaS 政策動向 特集記事 ]

■SDVの定義
今年12月開催の自動車技術会「"くるまからモビリティへ"の技術展 2025 」はSDVが主要テーマであった。
特に、基調講演ホンダの「SDV時代のE&Eアーキテクチャ」とイーソル社の「SDV とは」のアーカイブ配信などを視聴した。
また、経済産業省(METI)・国土交通省が6月策定した「モビリティDX戦略」もSDVが主要テーマであり、座長の名大高田教授の講演のアーカイブをはじめ繰り返し視聴・読み返している。

トヨタは、10月に東富士研究所でプレス向けに同社のSDVの概念と知能化技術の最新の取り組みを公開した説明者は皿田明弘 デジタルソフト開発センター センター長であった。(写真)皿田明弘 デジタルソフト開発センター センター長.jpg
同氏は「SDVの一丁目一番地は安全・安心であり、究極目標は「交通事故ゼロ社会の実現」という考えを示し、RAV4搭載の「Arene(アリーン)」を単なる車載OSではなく、ソフトウェアプラットフォーム/ミドルウェアとして位置づけられているという説明している。さらに、11月のJMS2025で新RAV4を展示した。

先に紹介した「モビリティDX戦略」では、SDVとは「クラウドとの通信を用いて、自動車の機能を継続的にアップデートできる(OTA)次世代車両」と定義している。従来「百家迷走」状態で一言で表せないSDVの定義を、高田教授をはじめこの分野のプロが議論の末、端的に定義した
もので分かりやすい。

しかし、SDVを「OTA可能なクルマ」だけではなかなか説明つかないのも事実である。
その理由は、SDVが単なる「自動車技術の進化」「くるまのスマホ化」等だけではなく、それがユーザー、OEM,サプライヤーはもちろん通信・流通、行政、保険など幅広い分野で同時に押し寄せつつある「一大社会変化の起爆材」であるからである。
そこで、むしろ

「SDVとは、ハードウェアから独立したソフトウェア構造を基盤とし、OEMの統制下でクラウド連携やOTA等を通じて車両機能を継続的に進化させる次世代車両である。」と修正すると正確になるのではないか?



■SDVの目的
経産省のDX戦略は、日本のOEMは多車種、多市場、厳格な型式認定、サプライチェーン分業等により 中国の新興OEMやテスラに比較し「開発~市場投入までの期間が構造的に長い」としている(図)。そのため、SDVの目的を「市場対応のための開発・改良サイクルを高速化するための産業構造改革としている。

DX戦略 開発期間比較図③.jpg

さらに、DX戦略では、SDVの具体的目的として、① 開発期間短縮(Time to Market)、② 機能追加・改良の継続、③ 市場・規制変化への柔軟対応= 不確実性耐性の獲得、④ ソフト起点の収益化(サービス・サブスク)とし、実行のための「各種仕組み」を整理/提案している。(図はITSP21作成)
SDVの目的1.jpg
SDVの4つの目的 3.jpg

(参考)用語説明
CI/CD(Continuous Integration / Continuous Delivery)
継続的インテグレーション/継続的デリバリー
意味
ソフトウェアを小刻みに開発・統合・テスト・配信する開発運用手法。
SDVとの関係
SDVにおける「開発・改良サイクル高速化(Time to Market)」の中核
OTAで車両に配信されるソフトは、CI/CDパイプラインを通じて管理される
制度上のポイント
勝手に更新するのではなく、型式認証・認証責任の枠内でCI/CDを回す必要がある
SBOM・SUMSとセットで初めて成立

SBOM(Software Bill of Materials)
ソフトウェア部品表
車両に搭載されているソフトウェアの、構成要素、バージョン、依存関係
OSS利用状況を一覧化したもの
SDVとの関係
OTA・CI/CDの前提条件
「どの車に、どのソフトが載っているか」を証明する基盤
重要な誤解の整理
SBOMはソースコードそのものではない
ブラックボックスを「技術的に開示」するものではなく、
「法的・運用的に構成を特定可能にする」仕組み
VINとの関係
実運用では VIN × SBOM(スナップショット) で管理

SUMS(Software Update Management System)
ソフトウェアアップデート管理システム
SDVとの関係
CI/CDの「車両側の受け皿」
OTAを安全かつ認証制度と両立させるための必須要素
UN-R156との関係
SUMSの整備は 法規要件そのもの

VIN(Vehicle Identification Number)
車両識別番号
1台1台の車両を特定する世界共通の識別子
SDV時代の役割変化
従来:ハード構成を識別
SDV時代:
「その車が今どのソフト構成で法的に成立しているか」
を紐づける軸
SBOM・SUMSとの関係
VIN × ソフト構成(SBOM)
VIN × 更新履歴(SUMS)
→ 個体単位の認証・リコール・責任管理が可能に

UN-R155 / UN-R156(WP.29 国際基準)
UN-R155:CSMS(サイバーセキュリティ管理)

要求内容
開発から運用までのサイバーリスク管理体制
SDVとの関係
ソフト更新前提の車両で「安全に更新できる体制」を要求
SBOMとの関係
脆弱性把握・影響範囲特定の基盤
UN-R156:SUMS(ソフト更新管理)
要求内容
OTA含むソフト更新の管理プロセスを制度化
SDVとの関係
「更新できる車」を合法化するための国際ルール
日本の型式認証との接点
国交省はこの枠組みの中で「動的更新 × 認証責任」を整理中


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