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豊田市交通モデル都市 ③名鉄豊田市駅前地区再開発事業と交通

[ Editor’s Column Smart City/豊田市動向 ]

【名鉄豊田市駅前地区再開発事業と交通】
11月24日に豊田市北街区再開発事業が竣工した。(関連記事)同地区の再開発事業の歴史は古い。拳母市から豊田市への市名変更は、1954年(昭和34年)である。自動車産業の急成長の中で「魅力のない中心街」「へそのない街」「人口5万人程度の駅前」と酷評されていた。余談だが、私も約50年前豊田市に来て、喜多町の「喜多善」という旅館に泊まり「繁華街は何処?」と聞いたとき、「ここです」と言われ、がっかりした事を思い出す。

その後、2005年平成の大合併まで、市域拡大の一方で旧挙母町の名鉄豊田市駅前地区の再開発事業はコツコツと行われてきた。
▼主な事業は以下のとおりであり、事業費は約1,017億円に及ぶ。

      (下記表は都市整備課資料から作成)

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▼交通関連の鉄道網では、

1979年名鉄トヨタ新線(現豊田線)、1988年愛知環状鉄道、2005年東部丘陵線(リニモ)、が開通している。

▼道路整備では、
(都)豊田則定線、竹生線、市道吹上天神戦、神明線、中町線を整備した。

▼バス網は、
主として名鉄バスの撤退路線を引き継いだ形で2007年11月、7路線で基幹バスがサービス開始、その後「おいでんバス」という名称で11路線に及んでいる。豊田市駅を起終点とする路線は、中心市街地玄関口バスを含め8路線ある。
以上の諸施策で、中心市街地地区は様相を一変しつつある。同市は2013年に中心市街地活性化基本計画を策定し、2018年までを期間とする計画値を設定し推進中である。また2019年には豊田スタジアムがラグビーワールドカップの会場に選ばれたこともあり、関連の整備も計画されている。

今後の主な課題として以下のような事項が考えられる。
1. 名鉄豊田市駅との一体的開発。
同市は北街区の開発の後、人口デッキの延伸、バスセンター、駅前広場の整備等を行う予定である。名古屋へのアクセスとして、名鉄三河線の複線化が検討されているが、名鉄の改造計画はいまだ公表されていない。第2期中心市街地活性化基本計画における豊田スタジアムへの「スタジアム通り」への整備の中で同駅の改造は必須である。
(2015年開催された「都心再開発」の市民シンポジューム(関連記事)ではアイデアとして提示されたが、名鉄による改造計画の公表はない。)
                    (第2期中心市街地活性化基本計画)   
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2. 歩行者、夜間人口の増加策
第5回のPT調査によると、通勤需要を中心に鉄道利用者は増加している。名鉄豊田線、三河線から愛知環状鉄道への乗り継ぎによる三河豊田駅への乗客が増加していると思われる。
しかし、休日等の歩行者数や夜間人口は増加していない。駅前通り東地区や北街区の開発で居住施設を併設、また市民センター地区再開発ではホテル、図書館等が設置されており、今後の交通流が注目される。
  (PT調査)                  (第2期中心市街地活性化基本計画)
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3. 自動車企業都市の玄関としてのPRの是非
中心市街地の開発について、トヨタは東地区や市民センター地区再開発により新設されたホテルに出資、またMEGLiA(トヨタ生協)も出店している。しかし、駅舎を出たとき、トヨタの本社所在地に来たというイメージは全くない。デトロイト中心街の再開発に合わせて新設・移転したGM本社および軽量無人運転軌道ピープルムーバーのGM本社駅、ドイツ シュットトガルトの中央駅舎におけるベンツのロゴを見るにつけ彼我の違いは明白であるである。なお、同駅ビルの最上階には、市民向けに駅前開発のジオラマが展示されている。
トヨタは豊田市を「交通実験のマザー都市」としているが、まちづくりへのコミット度合いは低い。

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