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ITS JAPAN年次総会

[ ITS/CASE&MaaS ]

 

<総会>

ITS Japanは6月12日、経団連会館で2015年度の通常総会と「2014年の取組と2015年の計画」について紹介するシンポジウムを開催した。
総会及びその後の交流会でITS Japan 会長の渡邉浩之氏は
1.今年度が第2次中期計画(2011-2015年)の最終年にあたるため、2016年からの次期中期計画を作成する。
この作業では過去にまとめた「ITSビジョン2030」(2008年), 「ITSによる未来創造の提言」(2013年)の見直し的意味を持つ。
2. 現在は「物理世界とサイバー世界を融合」するサイバーフィジカルシステム(CPS)の時代と言える。「自動運転」もその一つであるが、最近の傾向は「人間の関与」の重要性が忘れられているのではないか?「違和感を感じる」と述べた。

     また、来賓を代表して挨拶した国土交通省 道路局 局長の深澤淳志氏は、
1.「最近の道路行政における一丁目一番地は、既存の道路をもっと賢く使うこと、
2. ITSの技術は、渋滞回避のための支援や安全運転支援のための情報提供、さらにはプローブ情報を活用する効率的な経路の選択、混雑状況に応じた機動的な料金の導入、大型車の適正な経路誘導など、さまざまな面で手段として有効である」と述べた。

総会後のシンポジュームでは、ITS JAPANの各担当常務から主要業務の説明が行われた。2015年の重点取り組みテーマは以下の通り。
1,協調型運転支援と自動運転技術
2.ITSビッグデータ/ビジネス機会の創出と公共サービスへの活用
3.東京オリンピック・パラリンピック
4.国際展開


ITSJapan2015plan.jpg シンポジューム後の交流会では、山口科学技術政策担当・高市総務各大臣、山本・直島・井上ITS推進銀連盟共同代表、綿貫元衆議院議長、4省庁5局長などが出席し挨拶した。 また、今年の世界会議開催地ボルドー(仏)と来年開催地メルボルン(豪)の代表が出席し日本からの参加を呼び掛けた。
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ボルドー代表挨拶
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メルボルン代表挨拶

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記者の質問に答える渡邉会長

今年の総会も一昨年の東京会議以降引き続き盛会であった。その理由は以下の点が上げられる。
1.ITSが「SIPの自動運転」に見られるように国策上重要なプロジェクトに位置づけられ、予算化もされ政官産学の関心が高まっていること。
2. ITS JAPANが2005年のNPO法人化以降着実に実務体制を充実し渡邉‐天野体制で推進団体としての実績を着実に上げつつあること。
現在ITSは、「異業種参入が参入し新たな競争状態」に入りつつある。会議の冒頭や記者との懇談での渡邉会長の「CPS」に関連する発言はこの当たりを意識したものと思われる。一方某IT ベンチャーの関係者は「人間と機械の受け渡し時点や責任分界点の設定」をシステム化することは容易ではなく、逆に最初から「レベル4」を検討した方が取り組みやすい」と発言している。2013年11月に発生したマツダ自動ブレーキ車の体験試乗会における事故へのマスコミの反応を例に引くまでもなく「安全・安心」に対する国民の要求品質は非常に高い。
一方、「膨大なデータの解析と論理の積み重ね」だけではイノベーションは生じない。
先のITベンチャーの発言は「車の怖さを知らない『素人』の気楽さ」なのか?今後「競争領域」での攻防が激しくなる。

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