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人流と物流の「ラストワンマイル」

[ ITS動向 パーソナルモビリティ 特集記事 ]

輸送サービスに於ける「ラストワンマイル」(*)のサービスの仕組みが、話題になっている。輸送サービスに於いて、Door to Doorで且つユビキタス(Ubiquitous)なサービスを実現するには、ラストワンマイルでの輸送に関係する必要情報を、如何に廉価で、安全で且つタイムリーに収集・提供できるかが重要である。

(*)ラストワンマイル(Last one mile)とは元々は通信業界で使用されてきた用語で通信事業者の最寄の電話局からユーザの建物・家庭までのネットワーク接続・インターネット接続の最終行程のための手段のことで「足周り回線」と呼ばれている。通信の単位を「Traffic=トラヒィック」と呼んでいるとおり、通信と交通の親和性は強く、運輸部門でもこの用語が使用されている。

「ラストワンマイル」でのサービスは人流・物流ともに重要視されている。
人流においては、「デマンドサービス」の一つとして、ライドシェアリングのUberが最近最も注目されている。
ライドシェアリング会社と自動車メーカーの提携も盛んで、米国内に置いて、Uberとトヨタ、LeafとGM等の提携はよく知られている。トヨタの現地子会社とUberとの米国での提携に、日本国内のTaxi会社は猛反発していると言わている。只他方、全国ハイヤー・タクシー連合会とトヨタとは、自動運転技術の開発/導入に向けた協業については、覚書を締結している。

また、自動車各社は「チョイ乗り」の超小型車=Personal mobility(PM)や「相乗り」のマイクロバスの電気自動車を開発し、全国で実験を行っている。千葉県船橋市ではDenaとイオンが組んで、店舗と駐車場間を結ぶ無人運転のマイクロバスによる輸送サービスの実験が行われている。

一方物流においては、各企業が消費者に商品を届ける「ラストワンマイル」での、速さと安さに関する競争が熾烈である。物流はネット通販の拡大によって宅配便の物量が増加し、また、宅配時刻・受取場所の選択、料金の低廉化の競争が激化している。
Amazonは、配送業者との長期契約を始め、商品輸送の「無料化」をいち早く打ち出したり、物流ロボット会社、キバ・システムズの買収を通して、ICTを用いたイノベーションによる輸送の柔軟な仕組みづくりとコストダウンに取り組んでいる。
しかし、話は単純でない。物流業者がAmazonの「無料化」への転換でのコスト負担に耐え切れず、日本国内では日本通運を佐川急便が代行したものの、現在はヤマト運輸の一社体勢になっている模様である。
さらには、アマゾンのマーケットプレイスや楽天のスーパーロジスティクスといったサービスでは、産直業者やメーカーの通販を囲い込んだり、自前の物流センターを所有するなど、仕分けや梱包などサプライチェーンにも直接進出してきている。

「ラストワンマイル」での人流及び物流の各分野に於ける動きは、上記で紹介したとおり話題性に富み、関係者の注目を集めている。
只、物流の分野では、ステークホルダーの関心度が、人流でのそれと比べかなり高いという印象を受ける。それは「物流」分野ではラストワンマイルでのサービスが、ビジネスモデルの中核を占め、企業生命の依って立つところでもあるためと思われる。

一方、人流の分野において、ラストワンマイルはサービス利用時の利便性の向上や高齢化対策等に於いて重要であるが、従来この分野は自転車やマイカーが担っていた分野であり、新たな事業化は容易ではない。しかも人間には足という移動手段も持ち合わせている。
長年PMが「社会実験」を重ねながら、いざ「事業化」に向けた募集となると、応募事業者が現れず「実験止まり」になっているケースが多いのもそのためである。
今年の自技会のPMに関するシンポジュームにて、パネラーが、PMは「福祉担当の厚労省」の案件から「ビジネス担当の経産省」の案件に立ち位置と発想を変えないと進展しないと発言していた。同感である。
また、警察庁(道交法)、国土交通省(道路運送車両法)間での法制度上の管轄の絡み合いも、整理することが必要である。

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<物流の例>
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