
GM、トヨタ、VW、ヒュンダイ等がNHTSAの自動運転政策を非難 |
[ Editor’s Column ITS海外情報 自動運転 ] 2025年7月 5日 |
●6月26日付ロイター電。
25日米下院エネルギー・商業委員会で開催された公聴会で
GM、トヨタ、VW、ヒュンダイ等が所属する業界団体 Alliance for Automotive Innovation(AAI)」は、米NHTSAに対し、
・規制が「数十年前のまま更新が進んでいない」
・Emerging Technologies(新興技術)"に対する戦略的ロードマップが存在しない
・自動運転車(AV)の枠組みが存在せず、導入が阻まれている
・自動緊急ブレーキ(AEB)義務化や燃費規制の緩和などについても見直しを要求
IIHS(保険業界団体)も、「ABSの義務化を何年も要求しているが、NHTSAが怠っている」とNHTSAの低速対応や方法論への批判を展開した。
●議論の背景(chatgpt)
① NHTSAの機能不全
監査結果によれば、安全基準(FMVSS)の更新が遅延しがち、自動車リコール対応にも遅れがちと指摘されている
実際、2021~2025年にかけて人員の3分の1が減少と報道されており、機能的に逼迫している 。
② 業界反発の根拠
自動運転の無人車両導入(exemption)申請について、NHTSAは年間最大2,500台までの例外を規定するも、審査が極めて遅い
またAEB義務化(FMVSS 127)やABS義務化など、安全技術の制度化が業界・保険団体と米政府の間で対立している。
③ 政治・法制の枠組み
トランプ政権期には「規制緩和主義」が浮上し、クラッシュレポート義務の見直しや運転支援技術への制限緩和が推進された 。
その延長線として、バイデン政権下でもNHTSAの人材や機能は十分に回復しておらず、審査の迅速化が求められている。
●まとめと今後の展望
業界と保険団体は、自動運転・安全技術の実装の遅れを牽制する形で、NHTSAの改革を強く要求。
信頼できる連邦の制度と審査体制の構築がなければ、米国は中国やEUと同様な高速な自動運転導入は難しいとの見方。
今後、上下院の議論やNHTSAの予算拡充・人材補強の是非が焦点となる。