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「交通・モビリティ」から見た「スマートシティ」の論点

[ Editor’s Column ]

官・学・民・メディアこぞって「スマートシティ」(※1)ブームである。

スマートシティ」を一言でいうと、IT技術を駆使して、エネルギー・モビリティ・医療・環境・廃棄物・行政手続き、などの生活基本要素を改善、住民の生活を向上しようという取り組みである。スーパーシティ概念図内閣府.jpg(※2)

(※1)「スマート」という用語は、携帯電話、工場、オフィス、クレジットカード、エネルギー、グリッド、メーター等、既存の単語の枕詞的に使用されているので、いささか食傷気味である。
IT・ICT化、デジタル化にとどめ「スマート」という枕詞をつけなくてもよいのだが、斬新なイメージを与えるため用いられている。環境モデル都市・低炭素社会づくり、SDGsなど最近の政策のキャッチフレーズ化と同じ流れである。

(※2)国土交通省はスマートシティの実現に向けて、スマートシティとは、「都市の抱える諸課題に対して、ICT等の新技術を活用しつつ、マネジメント(計画、整備、管理・運営等)が行われ、全体最適化が図られる持続可能な都市または地区」であると、定義している。(平成30年(2018年)中間とりまとめ)

2020年5月、「国家戦略特区法」改正法が国会を通過した。
交通環境やまちづくりについて長年フォローしているものとして、以下最近考えている3論点について記述する。

1.都市のデジタル化と住民合意というキーワード
IT技術を駆使して都市問題解決を図るということは、行政サービスのデジタル化であり、関連するデータの収集とデジタル化による活用を意味する。

●先述の通り5月には「国家戦略特区法」改正法が国会を通過した。
同改正法では「先端的区域データ活用事業活動の実施を促進するため‥‥先端特区(「国家戦略特別区域データ連携基盤整備事業」という)を新たに特定事業に追加することにした。

同法は2度国会で継続審議後15の付帯決議を付け、与党と日本維新の党が賛成して通過。
付帯決議の主なものは、第5項の「住民目線の構想」を策定されるようにすること、「プライバシー保護」に留意すること、である。

●都市のデジタル化の難しさについては、Google子会社が、カナダ トロント市のオンタリオ湖岸で進めようとしたSide Walk再開発構想からの撤退が有名である。撤退の主な理由は「データの収集、利用に関する住民の反対」と報じられた。
わが国では福島県会津若松市「スマートシティ会津若松」がよく知られている。
●政府や自治体等による情報収集・管理と住民の意向のバランスは、コロナ禍の中でも議論されている難しい課題である。コロナ禍のような人命に関する事案ですら、個々人の挙動に関するデータ収集は同意を得られない。

●国会での「プライバシー保護」の付帯決議と社会課題解決や国際競争の両立は容易ではない。(下記出所 内閣府)
スーパーシティ法内閣府.jpg
●内閣府地方創生推進事務局審議官(当時)の村上圭亮氏がKPMG Insight(January2020)に掲載された特集記事の中で下記の面白い発言をしている
掲載記事は「スーパーシティ構想の実現に向けてーイシューオリエンテッドが成功のカギを握るー」。

その中で「突き詰めるとデータによる特定需要の切り出しに尽きる」「事業規模には関係ありません」と述べている。
また「今の日本の地方自治の最大の問題の一つは不公平感のないように公平にはいぶんするしくみにあります。 何かの分野を選択し集中投資しなければならなくなった瞬間にこれほど障害になる仕組みはありません」

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