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トヨタが手がける実証都市「Woven City」(ウーブン・シティ)

[ Editor’s Column ]


■取り組みの歴史は古い
同社のこの分野での取り組みは長い。
それは、自動車がもたらす社会的課題解決に関する強い問題意識と未来のモビリティを、『コンセプト』ではなく、『リアルな世界』で普及させる、つまり『実現する力』に対する熱意(*)によるものである。                 (*)2019年1月News Rrease

■社外からの提案の例
交通問題への取り組みについては、社外からも度々期待が寄せられている。例えば、社内の任意団体である「トヨタ技術会」、「トヨタマネジメント研究会」でもよく取り上げられてきた。
手元に興味ある古い資料があるので紹介する。
トヨタ技術会総会では、外部から有識者を招き、毎回講演会が開催される。
2007年の講演会では、当時国立環境研究所参与 西岡 秀三氏による「環境問題の真実」が取り上げられ、「トヨタへの提言」として、交通分野で以下のような提言があった。
① 総合移動サービスの専門集団~交通・都市交通の僕(しもべ)からの脱却~
移動システム総合機能への発展、公共交通との統合、コンパクトな都市づくり
② 世界のトヨタへ~開発途上国への移動システムの援助~
同じような内容は、度々各方面から提案を受けている。
① 「総合移動サービスの専門集団へ」は、モビリティ企業への変身であり、
② 世界のトヨタへ~開発途上国への移動システムの援助は現在モビリティ財団が取り組んでいる事項である。
更に、興味あるのは、「交通・都市交通の僕(しもべ)からの脱却」という発言である。
筆者の理解では、都市・交通計画や具体的まちづくりに主体として参画すべきということである。今までの豊田市や裾野市への構想発表は、この線上にある。

■取り組みのレビュー
本稿末尾掲載の表は、同社の過去から現在までのITS,・テレマテックス・モビリティ分野での主な取り組みについて公表資料からまとめたものである。
資料を一覧すると、同社が1990年代からこの分野に積極的に取り組んできていることがわかる。
要約すると前半部分は「参入と撤退の歴史」、2014年以降は,「モビリティカンパー」へのモデルチェンジを意識した施策の展開である。
主な項目を挙げる。

▼参入と撤退の歴史
◎ETCインフラ事業参入と撤退
2001年3月、千葉と沖縄の閉鎖空間の高速道路でETCが導入され、現在は全国で展開されている。トヨタの関連会社が、車載器・ETCカード事業に参入、1999年9月には、ETC路側設備工事初受注した。路側設備については2008年3月撤退。
◎端末交通・ラスト、ラストワンマイルサービスへの参入と撤退
1997年7月:小型電気自動車 Crayon(右写真)の相乗りサービス開始creyon.jpg
1999年5月:Crayon運用実験開始(豊田市・本社地区)
2000年12月:京都で実験開始、採算見込めず2006年終了
2012年10月:豊田市で超小型電気自動車を使ったシェアリングサービス「Ha:mo」実証開始
◎テレマチックスサービス参入と撤退
トヨタメディアステーション株式会社(トヨタ、デンソー、富士通、松下などが出資)が1998年から立ちあげたテレマチックスサービスTIMEシリーズは、今日の呼び名ではMaaSに近い。
しかし、同社が、2002 年1月ガズーメディアサービス(株)に吸収されるに当たってすべて廃止された。
※主なTIMEシリーズサービス
タクシー運行管理システム(TIME-t)
介護サービス車両管理システム(TIME-w)
バスロケーション案内システム(TIME-b)
自販機巡回システム(TIME-d)
簡易運行管理システム(TIME@NAVI)

▼法人組織の立ち上げ・既存組織改組
2014年8月:トヨタ モビリティファンド設立
財団.jpg
2017年7月:「トヨタメディアサービス株式会社」を「トヨタコネクティッド株式会社」に商号を変更
2018年4月:トヨタモビリティサービス株式会社設立
2018年9月:ソフトバンクとMONET Technologies(株)設立「MONET」事業開始
2019年1月:サブスクリプションサービス会社「(株)KINTO」設立
2020年3月:NTTと資本提携発表 2000億円相互出資
▼海外のシェアリング企業に巨額出資
2018年8月:Grabに10億ドル出資
2018年8月:Uberに5億ドル出資
2019年4月:Uberの自動運転新会社に4億ドル出資
2019年7月:Didi Chuxing(滴滴出行)に6億ドル出資

▼愛知県豊田市での積極的取組
1970年代から本社所在地 愛知県豊田市の交通問題の解決については、地域貢献・地域対策以上の意味を込めて取り組んできている。
その設立に深くかかわっている公益財団法人豊田都市交通研究所(TTRI 所長 原田 昇東大教授)の25周年記念研究成果報告会・講演会(2016年7月)で、来賓として登壇した友山専務取締役(当時)は、「Hamoの実験にみられるように今後も豊田市をトヨタの考えるモビリティ実験のマザー都市として位置づけていきたい。」と述べた。
年表掲載の主な事項は以下の通りである。(一部重複掲載)
1999年5月:Crayon運用実験開始(豊田市・本社地区)2006年修了。
2004年3月:愛・地球博に会場内輸送手段として無人運転バス"IMTS"導入
2007年4月:「夢のまちづくり」提案
2012年10月:超小型電気自動車を使ったシェアリングサービス「Ha:mo」実証開始
2015 年1月:FCV車、市内を走る路線バス「とよたおいでんバス」の営業運行向けに提供。
2017年6月:スマートグリッド実証

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