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トヨタが手がける実証都市「Woven City」(ウーブン・シティ)

[ Editor’s Column ]


■多くの経験の共有が重要
トヨタの今までの取り組みについて少し詳しく紹介した。それらを踏まえて、以下に主な論点を記載する。
1. 本質は何か?
何度も繰り返してきた新規事業開発や新製品開発の成功と失敗、参入と撤退の歴史の中で今ほど危機意識が強い時期は少ないと思う。障壁が次々発生する改革推進のためには、古典的なキーワードである「ヒト・モノ・カネ」と同時に「狂気」とも言える執念と旗印は重要だ。
社内には、TPSや原価低減など原点回帰を再確認する「社内手帳」を全員に配布し、対外には「リヤル社会でのMobility for All」の実現を訴えている。「金太郎飴化」と「汎社会化」の両立は容易ではない。
CASE、MaaS、Subscription、Smart〇〇、100年に一度、実証実験、戦略特区、官民・ステイクホルダー連携など言葉は踊る。
自動車は自動運転化により乗り物として「完成系」に一歩近づく。「人の幸せ=Mobility 最大化」に向けて忍耐強く自信をもって都市交通計画を大胆に見直す時期にある。
2. 過去の事例からのキーワード
1) 本業の外延部分
企業不振への対応として一番手っ取り早く行われるのは、一般管理販売費のうち、残業など人件費、広告宣伝費削減、投資部門の試験研究費・設備投資の先送りなどである。さらに厳しくなると、人員整理、不採算部門からの撤廃又は廃止などと続く。
自動車会社による「都市交通対策への参画」は、古典的な意味での本業の外延部分に属する。手元資金が豊富な時期には、投資できる。現在国内の同業者で取り組めるのは同社しかない。トヨタは、2007年4月 豊田市へ「夢のまちづくり」提案している。
詳細内容は不明だが、名鉄豊田市駅前、南北に貫く幹線道248線、トヨタ本社及び矢作川沿住宅群の思い切った交通計画の策定と実現を目指す構想と言われていた。しかし、同計画は、リーマンショックとともに忘れ去られた。
2) 社会貢献か新規事業開発か
CASEのうち、C=Connected、A=AutonomousやE=Electricは本業だが、S=Shared & Servicesとなると少し離れる。MaaSとなるとさら離れる。都市交通計画のリアルなまちづくりとなると先の項の分類では「外延部」に属する。
この事業を自動車会社の社会貢献推進と位置付けるか新規事業と位置付けるか?社内の取り扱いは全く異なる。新規事業となると、時間軸をどうとらえるか、費目の配布を定義するかなどテクニカルな事項はあるが「採算」が重要項目となる。
3) 官と民
官は住民からあまねく「税金」を徴収し、道路、下水道、福利など市場経済原則では成り立ちにくい分野に投資する。従って、透明、公平、公正が行動の大原則となる。
企業は、モノやサービスの「販売と利益」が基盤となる。端的に言えば「儲かってナンボ」の世界である。先に例示した、CreyonやTimeシリーズなどはいずれも「民の原則」を破れなかった。街づくりへの参画となると、「よって立つ基盤が異なる」両社の協業となる。
「官と民」は、時代の要請であり、いろいろ成功事例も少なくないが、自動車会社が巨額投資して行う事例は聞かない。
4) 出口戦略
「出口戦略」という単語が流行である。
官主体の多くの社会実験は、実験が終わると受け手がないか、かなり無理やりな受け手づくりで消滅する場合も少なくない。
最初から「出口」、を考えるのは、「手放す」ことを想定しているようで愉快でないが、異次元の世界への挑戦だけにサステナブルな解は準備しておく必要である。
追加最終トヨタのITSの取り組み20200531.jpg (All Rights Reserved at ITSP21)

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